広告代理店の仕事とは何なのか? ※最後まで必読推奨
地方の広告代理店に勤める”やすたん”と申します。
普段は、カーディーラーの広告全般に関わる仕事をしております。
本日は、広告代理店の仕事とは何なのか?について書きたいと思います。
なぜこのテーマで書こうと考えたかというと、会社説明会やインターンシップの学生さんたちと話す機会が比較的多く(会社としてもいい社会人像として、20代後半である私を先輩社員の声として呼ぶことが多いためか)、広告代理店、さらに言えば地方となれば、この仕事内容に対して不透明さを抱いている学生さんが多いと感じたからです。
詳しく書くととても長文となってしまい、学生さんによっては「最後まで読みたくないな」と思われる方もいらっしゃるので、簡潔に述べられたらなと思います。
ぜひ最後まで読んでいただけると、就職活動に役立てるかと。
まず、広告代理店という言葉を紐解きましょう。
“広告+代理店=広告代理店”
上記の言葉通り、広告を代理として請け負う仕事ということです。
広告とは、ウェブで調べると
『広告とは、「世間に広く知らせること」であり、とりわけ商品やサービスなどに関する情報を世間の多くの人に知らせ・興味を抱かせ・購入その他の行動を促す、そのために行われる情報伝達もしくは情報伝達の媒体や伝達内容のことである。』と書かれています。
参照URL:https://www.weblio.jp/content/広告
“世間に広く”とはどこなのか?
これがこの仕事をしていると、嫌と言うほど聞かされる“ターゲット”のことですね。
言葉通りに受け取ってしまうと、世間の人全員に届けると捉えてしまいます。
この仕事していてこれだけははっきりと言えます。
100人中、100人に知ってもらい、興味を抱かせ、購入・行動を促すことなど出来ません
では、どうするのか。
広告の目的は、広告を出すことではありません。
消費者・ユーザーを、購入・その他の行動へと促すことなのです。
正直、上記の目的さえ理解できれば、それ以上言うことはありません(笑)。
しかし、言葉では簡単に言えるのですが、購入その他の行動を促すことが難しいんですよね。
では、広告代理店の仕事を例として紹介したいと思います。
車屋を例として考えましょう。
クライアント:「在庫となっている、ミニバンの新車を売りたい」
といった、要望があったとします。
広告代理店A:「チラシをやりましょう!」
広告代理店B:「当社で発行している雑誌に掲載しましょう!」
広告代理店C:「ウェブで宣伝しましょう!」
A・B・Cどの会社が正しいでしょうか?
私がクライアントだったら、どれもアウト宣告ですね。
勘違いしないでほしいのは、決してこの3社の提案している媒体を否定しているわけではありません。
この3社に共通していることは、購入その他の行動を促すことへの関心が皆無だということ。
そして、この3社に共通しているのは、広告を出すことが目的化されていることです。
ここでもう一度おさらいとして、広告の目的とは
消費者・ユーザーを、購入・その他の行動へと促すことなのです。
じゃあ、購入その他の行動を促すためにはどうすればいいの?
そこで鍵となるのが、“ターゲット”です
すでに、クライアントからヒントはもらっていたはずです。
クライアント:「在庫となっている、ミニバンの新車を売りたい」
私はこの要望の中に、3つヒントが入っていると感じます。
『在庫』『ミニバン』『新車』
1つ目、『在庫』に関しては、おそらく早めに処分したいと考えているのかなと思います。
そのため、比較的に安くしてでも売りたいと思っています。
もし、そうであればここでキーワードとなるのは
『限定何台』『期間中●●円引き』など、購買意欲をすぐにかきたてる内容かなと。
2つ目、『ミニバン』。
ミニバンは主にファミリーカーとして、浸透しています。
しかし、ここではファミリー層の中でも、まだ子供の小さい30代半ばのお母さんをターゲットにしたいと私は考えます。
なぜなら、1つ目のキーワードである『限定何台』『期間中●●円引き』のキーワードは女性に向けて告知したいと考えていたからです。
もちろん男性の方でも、値引きという言葉に購買意欲が高まる方もいると思いますが、価格という観点で捉えれば、中古車のがお得なのです。
ここで3つ目のキーワード、『新車』です。
新車と中古車の大きな違いは、“綺麗さ”・”清潔さ”は明らかです。
中古車が汚いかと言われてしまうと、もちろんそのようなことはありませんが、比較した際には新車のが綺麗なイメージは持たれるでしょう。
この3つのキーワードを合わせると
『今がチャンス!お子さまの成長を清潔なお車で。7年後も同じ車で不便さゼロ。子育てママに、今なら●●円引きで日頃の感謝をパパから還元します』
上記のような、コンセプトが生まれます。
完全にターゲットは絞りました。
では、それをどのような方法でターゲットに訴求していくのか。
もし、私が広告代理店Dという会社の営業であれば、まずチラシは作りたいと言います。
折込ではなく、2DKあたりのアパートにポスティングをしたいと考えます。
おそらくその構造のアパートには、今回定めたターゲットが住んでいる可能性が非常に高いからです。
次に、ウェブでの広告も配信したいと提案します。
今や、ウェブ広告ではターゲットを絞った配信が可能です。
皆様のスマホに表示される広告は、なんとなく自分に興味関心があるものが出てきませんか?
その仕組みを使った方法で、性別・年齢・家族構成などを絞った上で、ウェブ広告の配信を案内します。
上記2つの提案(ポスティングのチラシとウェブ広告)とプラスして、提案することとしては、
“結果の共有”
これが一番大切です。
※以前書いた記事内にも同じようなことを述べていますので、よかったらご覧ください。→こちらから
要は、広告を出すことを目的化してはいけないからです。
仮に今回の施策で、クライアントの会社が店終いであればそれでもいいかもしれないですが、基本的には今後も継続していくはずです。
この施策が成功だったか、それとも失敗だったかは、最終的にはやってみないと分からないのですから。
ただし、失敗を次の施策への成功するための糧には出来ます。
今回の施策が、あまり売れずに失敗だった場合、どこが失敗だったのかの原因を探ることは出来るからです。
その原因が確実性のあるものでなくても、正直いいと思います。次の施策を考える際、ブラッシュアップするための材料として残しておくことが出来ますので。
なので、一番の失敗は、原因も分からないまま終えてしまうことです。
だから私は、”結果の共有”をクライアントへの提案として用意するのです。
チラシだったら、QRコードの読み込み数・チラシ持ち込みでプレゼントなど。
ウェブだったら、コンバージョンやアナリティクスなどを用いて数字の明確化など。
知識さえあれば、やりようはありますので安心してください。
ここまでが、広告代理店の仕事内容です。
どうでしょうか? 楽しそうにみえますか?
さて、ここからがネタバレです
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
私が書いたような、”広告代理店D”のような会社は少ないのが現状です。
色々と業界人と携わってきた中で、圧倒的に多いのは“広告代理店A/B/C “のような3社です。
そうなっている理由もなんとなくですが、分かります。
営業として、個人の売り上げが大事だからです。
私が書いた車屋への提案例だと、時間がかかってしまい、目先の売り上げを追いかけづらくなるのです。
これは、もう会社の仕組みの問題なので、根深いですよね。
営業であるなら、数字として目標が与えられ、その目標を達成できたかどうかが、評価基準になることが多いためです。
なので、学生さんたちに伝えたいのは
広告マンでありたいと思うなら、”広告代理店Dを探せ”
です。
見つけ方は、非常に難しいと思います。
しかし、このブログを読んだ上で探すのと、知らずに夢を膨らませて”広告代理店A/B/C”に入社するとでは将来が大きく変わる可能性があります。
このブログを読んで、将来の仕事選びに少しでも役立ってもらえれば幸いです。
ちなみに私やすたんは、”広告代理店A/B/C”に属しております(笑)。
でも、”広告代理店D”でありたいという強き想いで、日々会社と戦っております。
環境は自らが変えることも可能だと信じておりますので。
※以前書いた記事内にも同じようなことを述べていますので、よかったらご覧ください。→こちらから
以上、やすたんの広告代理店の仕事とは何なのか?でした。